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2024.05
目の前に広がる景色の「奥」のことについて興味が湧く。
今見ている景色というのは、きっとこの場所のこれまで出来上がった記憶が「層」を成し、その時間性の絡み合わせで成り立っている。そのいくつかの層は、それぞれの層ごとに異なる時間が流れ、またその層と層の間にも、時は詰まっているはずである。そう考えながら、もう一度目の前の景色をじっくりと眺めると、奥の層がかすかに透けて見えるかのように、遠くに広がる景色の向こうに過去の断片が浮かび上がるような感覚になる。結局、私たちが目にするのは、過去と現在、未来が境界なく行き交う時間の残像なのである。
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